記憶の果て/浦賀和宏 | omni

記憶の果て/浦賀和宏

読んでる途中から「森博嗣くせー」って思ってたら、森博嗣が絶賛してる事を知って笑った。


浦賀氏は生粋のオナニストなんだと思う。彼ですら、この小説の真理は分かってないはずだから。ストーリーにしても、如何せん世界の意味とか精神の存在を提示するには下世話すぎると感じた。テーマが深く哲学的で壮大な物に対して、肉付けであるバックグラウンドが閉鎖的で、酷く密接なのだ。その割、物語が終わりに近づくと「意識のみの存在」である彼女は普遍的で現実に広がる世界とネットワークを介して=の関係で結ばれてしまう。一方、安藤は彼だけの世界を作り出して、そこに彼女を見出して=で結んでしまう。


酷く不愉快な話だと思った。もっと読みたいとも思った。金田は本気でムカつくし、所々浦賀和宏19歳の自尊心が見え隠れするけれど、作品としてよく終わらせたな、と感心してしまった。理解する事は出来ないけれど、この作品を組み伏せてみたい。